【生産終了】シートプロテクション工法
シートプロテクション工法は、標準的な大型土嚢に、遮水シート・不陸調整材・押え部材を組み合わせて応急止水堤を構築する水防工法(広域用浸水対策)です。
「薄く軽量なシートで土嚢を包む」というコンセプトは、従来高度な技術が必要とされた積み土嚢工のプロセスを省力化し、設置コストを削減します。簡易な構造でありながら、高い浸水対策効果が得られます。
用途
- 沿岸部における高波、高潮対策
- 堤内地の倉庫、車庫、変電所等の局所的な場所
- 市中における、浸水が想定される工場などの建物入口、道路周り等
- 通常の止水板(防水扉)で対応しづらいような広範囲にわたる箇所
- 土嚢で浸水対策が行われるような箇所等
※津波・漂流物の衝突には対応していません。
設置ムービー:SP-2
設置ムービー:SP-1
特長
より高度に!
遮水シートが土嚢の空隙からの漏水を防ぎ、押え部材が土嚢の自重を不陸調整材に伝達することで接地面からの浸水を軽減します。従来の土嚢工と比較し、簡易ながらも高度な応急対策が可能な工法です。
より迅速に!
従来の土嚢工に必要とされる「土嚢を隙間なく並べる」という熟練技術が不要になります。また、設置ガイドやプロセスが遮水シート上にプリントされているため、作業者はより迅遠に応急止水堤を設置できます。
より広範囲に!
本製品は、都市防災における「三重防護※」を支援するシステムとして開発されました。ユニットをシステマティックに接合し、より広範囲な応急止水堤をフレキシブルに構築できます。
※都市防災における「三重防護」の構築支援について
港湾では、浸水被害防止対策として、土嚢による三重防護構造が有効であることが知られています。
これは、高波、高潮による被害軽減のために港湾縁部などに設置される対策工を「第1ライン」、越波等、第1ラインで防ぎきれなかった浸水を軽減するために内部護岸などに設置されるものを「第2ライン」、港湾近傍の施設の間口などに設置されるものを「第3ライン」として浸水被害に備える考え方です。
シバタでは、防災製品メーカーとして実績のある止水技術・防災技術を活用し、特に「第2ライン」、「第3ライン」の構築支援として 「シートプロテクション工法」を提案し、さらなる浸水対策製品の研究・開発に注力しています。
仕様・規格
SP-2
部材 | 材質 | 仕様 |
---|---|---|
遮水シート | ポリ塩化ビニル、 ポリエステル繊維 | 厚さ:0.5 mm (ベルト、バックル、面ファスナー付) |
不陸調整材 | 発泡ポリエチレン | 厚さ:10 mm |
押え部材 | 人工木材 | 50 × 50 × 1195 mm |
緩衝材 | 発泡ポリエチレン | 厚さ:10 mm |
成形部材 | ステンレス | Φ34 × 1995 mm |
パッキン | 発泡ゴム | 厚さ:10 mm |
SP-1
部材 | 材質 | 仕様 |
---|---|---|
遮水シート | ポリ塩化ビニル | 厚さ:1 mm (パッキン、面ファスナー付) |
不陸調整材 | 発泡ポリエチレン | 厚さ:10 mm |
押え部材 | 木材 | 38 × 89 × 1098 mm |
結束バンド | ナイロン | 7.6 × 370 mm |
シンプルなコンセプトに基づく、作業者が把握しやすい設置プロセス
【SP-2の設置プロセス】
01
広げる
不陸調整材と遮水シートを広げます。
02
置く
並べた押え部材の上に、大型土嚢を置きます。
03
被せる
大型土嚢に遮水シートを被せます。
04
完成
※ シートプロテクションは複数のユニットを連結することで、広範囲の浸水対策が可能になります。
※SP-2 は専用ベルト(別売)を用いることで「2段積み(土嚢、下3 + 上2個)」「3段積み(土嚢、下4+中3+上2個)」にも適用可能です。
【SP-1 の設置プロセス】
01
広げる
不陸調整材と遮水シートを広げます。
02
置く
並べた押え部材の上に、大型土嚢を置きます。
03
被せる
大型土嚢に遮水シートを被せます。
04
完成
※ シートプロテクションは複数のユニットを連結することで、広範囲の浸水対策が可能になります。