(一財)砂防・地すべり技術センター シバタ工業株式会社 共同開発
流木スクリーンは、掃流区間もしくは石流区間でも本堤下流側の前庭保護工に適用できる流木捕捉工です。
縦断方向に長い断面構造は、流木捕捉時の外力に対して、転倒に安定した構造で捕捉面積が広く、かつ捕捉面が傾斜構造となっているため、流水と流木を分離しやすく、効率的に流木を捕捉します。
構造・規格
構造 | |||
流木捕捉高さ (H) | 2m | 3m | 4m |
長さ (L) | 3.9m | 6.55m | 6.55m |
鋼材規格 | H型鋼製フレーム | H型鋼製フレーム | H型鋼製フレーム |
接続ボルト | M20 | M24 | M24 |
アンカーボルト | M20 | M24 | M24 |
横桟 | 鋼製チェーン チェーン径Φ19mm 弾性チェーンは、設計条件に応じて1列あたり、1本または2本使用します。 |
弾性チェーン
弾性チェーンは、ゴムと鋼製チェーンで構成され、ゴム内部に埋説された鋼製チェーンは隙間をあけて配列し、その隙間(リンク間)にもゴムを充填することにより、張力作用時に衝撃力の緩和効果とエネルギー吸収効果を発揮します。
特 長
- 1.堰上げ抑制効果
- 傾斜構造であるため、初期に捕捉された流木は水位の上昇に伴い上方へ移動し、細粒土砂や水は下方から流下しやすい構造であるため、流木を効率的に捕捉し、堰上げ水位も抑制する効果が期待できます。
- 2.流木捕捉・連続配置
- 流路工に設置する場合、1基で計画流木捕捉量を満足しない場合は、流下方向に連続設置することで計画流木捕捉量を満足することが可能です。
この場合、最下流の流木スクリーンは突起を設けますが、上流側の流木スクリーンには突起を設けない構造とすることで、分散して流木を捕捉します。
(参考文献:新編・鋼製砂防構造物設計便覧, 令和3年版, 参考資料 P.47〜P.49)
- 流路工に設置する場合、1基で計画流木捕捉量を満足しない場合は、流下方向に連続設置することで計画流木捕捉量を満足することが可能です。
- 3.優れた施工性
- アンカーボルトで固定する構造のため、基礎コンクリートへの埋め込みが不要です。
- コンクリートの補強が不要であるため、工期短縮、施工の省力化が可能です。
- 部材単体が比較的軽量であるため、大型重機や大規模な仮設が不要です。
水路実験
50分の1縮尺にて作成した水路模型にて、流木と土砂の捕捉実験を行い、1.流木捕捉効果、2.流木捕捉に伴う堰上げ抑制効果、3.土砂排出効果が期待できることを確認しました。