ケーカンネット工法(流木捕捉工)は、「土石流・流木対策設計技術指針及び同解説」の掃流区間もしくはそれに準ずる条件に適用できる柔構造の流木捕捉工です。
形状は、鋼製チェーンを緩めた状態でゴムを被覆し一体化した複合部材(以下弾性チェーンという)を用いた格子状のネットで構成され、流木や礫の衝突時には、弾性チェーンの弾性変形およびネット全体の変形で外力を吸収し、確実に流木を捕捉することができます。
建設技術審査証明書(審査証明第1201号)
一般財団法人 砂防・地すべり技術センターの「建設技術審査証明書(審査証明第1201号)」を取得しました。
ケーカンネットを構成する弾性チェーンは衝撃緩和効果を有するとともに、弾性変形内で衝突エネルギーを吸収できること、また、従来の流木捕捉工と同等の流木捕捉性能を有すること、部材の脱着が容易であることが証明されました。
特 長
- 耐衝撃性
流木捕捉ネットを構成する弾性チェーンは、鋼製チェーンを緩めて配置し、そのチェーンリンク間の隙間にもゴムを充填した状態で鋼製チェーンをゴムで被覆一体化させた構造であるため、流木や礫が衝突した場合は、チェーンリンク間のゴムが圧縮変形を生じながら衝撃力を緩和する構造です。 - 繰り返し使用
衝突エネルギーを弾性チェーンの弾性変形で吸収するため、繰り返しの使用が可能です。 - 透過性
ネットを構成する部材は径が細く、流水の透過性に優れる構造です。 - 環境への影響
材料の使用量が少なく、生産時のCO2の排出量を抑えることができます。また部材の径が細いため、渓流景観を損ないません。 - 施工性
部材は軽量で施工性が良く、ボルト締め等の作業が主体となるため、特別な熟練工を必要とせず短期間で施工できます。 - 維持管理
部材の接続はピン(ボルト)による勘合方式で脱着容易な構造であるため、除石、除木、部材の取替えが容易に行えます。
商品構造
規格寸法
チェーン径 φ d | ゴム径 φ D | 許容引張力 | ゴム被覆長1mあたりの 設計許容吸収エネルギー量 |
19mm | 130mm | 150kN | 1.5 kJ/m |
25mm | 130mm | 250kN | 2.5 kJ/m |
30mm | 150mm | 340kN | 3.5 kJ/m |
32mm | 180mm | 410kN | 4.0 kJ/m |
38mm | 180mm | 550kN | 5.5 kJ/m |
42mm | 200mm | 650kN | 6.5 kJ/m |
50mm | 250mm | 800kN | 8.0 kJ/m |