RL流木ストッパーは、鋼製チェーンリンク間に緩衝部を挿入させた流木捕捉工です。
鋼製チェーンを用いて格子状のネットを構成し、流木が衝突した場合は、鋼製チェーンリンク間に挿入された緩衝材が塑性変形することで、作用する外力を吸収します。
また、この緩衝部は、構成する鋼製チェーン許容引張力よりも小さい引張力で(塑性変形が生じて)機能を発揮するため、本体強度は鋼製チェーンによる強度を確保できます。
構 造
緩衝部の規格
鋼製チェーンのチェーン径 (mm) | 鋼製チェーンの許容引張力 (kN) | 緩衝部1リンクあたり | |
設計変形量 (mm) | 吸収エネルギー量 (kJ) | ||
32 | 150 | 40以上 | 1.0以上 |
ラバーリンク構造
鋼製チェーンリンク間に挿入される緩衝部は、ゴムと鋼材や繊維部材で構成されたラバーリンク機構です。
このラバーリンク機構は、ゴムのクッション性を活かしつつ、ゴムよりも先に鋼材や繊維部材が壊れることで、塑性変形をあえて生じさせ緩衝機能を発揮します。
鋼製チェーンの許容引張力よりも低い荷重で塑性変形を生じさせることで、いわゆる“ヒューズ機能”をもたせたものです。
また、作用する外力の速度が速くなっても、この機能を発揮することを検証しています。
特 長
- ラバーリンク機構による衝撃緩和効果とエネルギー吸収
流木が衝突した場合、鋼製チェーン間に設けたラバーリンク機構を有する緩衝部が塑性変形することで、衝撃力を緩和し、エネルギー吸収性能を発揮します。
- 部材の省力化
“単発的な衝撃的外力”または流木捕捉後の静的外力に対して緩衝部が塑性変形することで、流木捕捉時には平面的に鋼製チェーンが弓なり形状に変形し、部材の引張力として荷重伝達されます。この力を鋼製チェーンの引張力で分担するため、強度部材の断面を省力化できます。
- コンパクト搬入&施工性に優れる
構成する部材がコンパクトなため、現場への搬入時、施工の場面でも大型の重機を必要としません。
水通し幅が小さいなど、場所によっては、人力施工も可能です。鋼製チェーンに異常がなければ、緩衝部の交換のみで継続的な使用が可能です。 - ラバーリンク機構を有する緩衝部の交換が容易で取り外し可能なため流木の撤去が容易
緩衝部は、ラバーリンク機構がシャックルと連結されている構造のため、取り外しや交換が容易です。
また、全体構造として、部材の接続はピン(ボルト)による勘合方式で、取り外しが容易であり、除木作業がしやすい構造です。
適用範囲
■治山分野における流木捕捉工として、放水路断面:H=2m×L×4mの範囲で適用できます。
■砂防分野においても、“緊急対策”としての流木捕捉工として有効です。
弾性チェーンタイプに部材を交換することで、恒久対策として繰り返しの使用が可能です。