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- 帯電防止フレキシブルコンテナ開発PROJECT
原材料の運搬に使うフレキシブルコンテナを製造していたシバタは、静電気による災害を防ぐため、フレキシブルコンテナの素材見直しに乗り出した。
手探りの素材開発がはじまった。
帯電を防ぐため、素材の見直しに着手。
しかし、冬場などに誰もが経験したことのある静電気について研究する人は少なく、文献もほとんどなかった。
アースをヒントに、抵抗値の低い、電気のたまりにくいコンテナ素材の開発を進めるが、抵抗値が低すぎると荷役作業をしている人が感電する事故の危険性がある。
技術者たちが研究を重ね、弾き出したコンテナ素材に最適な抵抗値は—
最適な抵抗値はわかった。だが、素材開発はここから。
最適な抵抗値がわかっただけではまだ、問題が解決したとは言えない。帯電を防ぐことと、必要な強度や耐熱性、品質保持性もクリアする必要がある。
フレキシブルコンテナで運ぶのは、500kg・1t・3tという単位。相当の強度が要求される。
また、中に入れるものの性質に影響を与えず、使用される環境の温度変化にも耐えなければならない。
トライ&エラーを繰り返し、1970年代からいくつもの案件に対応してきた結果、シバタには配合設計のノウハウが蓄積され、現在では用途に応じた材質をカテゴリ化することができた。
初出荷以来、静電気事故の発生は一度も報告されていない。
現在、静電気対策コンテナにも電気・電子関係の国際規格=IEC61340が交付され、それに伴い2009年に日本の国家規格JISC61340-4-4が制定されている。
この中で示されている最適抵抗値は、奇しくも、シバタ工業が独自に見つけた最適抵抗値と同じだった。
帯電防止フレキシブルコンテナの初出荷以来、今までユーザーからの静電気事故発生の報告は一度もされていない。